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ソープナッツ豆知識
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 1) 学術名や呼び名、日本での呼び名
 2) ナッツとはいいますが、、、
 3) ソープナッツの仲間
 4) ソープナッツの木
 5) ソープナッツの花や実
 6) サポニンについて
 7) ソープナッツで清潔に
 8) ソープナッツの匂いや泡立ち
 9) ソープナッツ液の作り方
10) 参考文献、参考サイト等
               

 1) 学術名や呼び名、日本での呼び名
ソープナッツは、一般には、ソープナッツの他ソープベリー、ウォッシュナッツ、リタとも呼ばれます。
学名は、生育する場所によって、SAPINDUS DELAVAYI(中国、インド)、SAPINDUS DRUMMONDII(アメリカ
合衆国南部、メキシコ)、SAPINDUS EMARGINATUS(アジア南部)、SAPINDUS MARGINATUS(アメリカ合衆国
フロリダ州、サウスカロライナ州)、SAPINDUS MUKOROSSI(中国南西部、ヒマラヤ山脈)、SAPINDUS
OAHUENSIS(ハワイ)、SAPINDUS RARAK(東南アジア)、SAPINDUS SAPONARIA(フロリダ周辺の島、
カリブ、中米)、SAPINDUS TOMENTOSUS(中国)、SAPINDUS TRIFOLIATUS(インド南部、パキスタン)などと
なっています。
日本ではムクロジとして親しまれ、本州、四国、九州、沖縄に生育し”無患子”という漢字があてられています。
子供が病気にかからないという意味ですが、ムクロジは古くから漢方に用いられ、その果実の皮を集めて日干し
して乾燥させたものは漢方薬名”延命皮”として知られています。延命皮には強壮・止血・抗炎・抗菌・消炎作用が
あるといわれます。また、リウマチ・気管支炎・咽喉炎に、あるいは咳止めや去痰用に服用されるそうです



 2) ナッツとはいいますが、、、
ソープナッツと呼ばれてはいますが、学術的には堅果科(ナッツ類)ではありません。実を結んだあと、果皮が
太陽光線で乾燥し堅くなって殻のようになることからナッツと呼ばれるようになったようです。ナッツではないので
ナッツアレルギーとも無縁です。


 3) ソープナッツの仲間
ソープナッツは双子葉植物のムクロジ科に属します。ムクロジ科は、高木から草本まであり、つる性のものも
あります。また、その葉は互生し、その多くは羽状複葉です。ムクロジ科の植物は熱帯、亜熱帯に多く分布
します。日本にはムクロジ、モクゲンジなどが野生します。この仲間には、レイシ(ライチー)、ランブータン、
リュウガンなどの果樹もあります。また、鑑賞用に栽培され人気のあるフウセンカズラもこの仲間です。
ムクロジ科にはサポニンを含むものが多く、ソープナッツあるいはムクロジは自然の石鹸として知られます。


 4) ソープナッツの木
ソープナッツの木は成長すると15Mから高いもので25Mにもなります。また、枝も広く広がるので背丈と同じ
くらいの幅になるものもあります。全体として見ると、おおよそ左右対称に大きく広がっています。
北アメリカに生育するソープナッツの仲間、ウエスタンソープベリー(学名:SAPINDUS DRUMMONDII)は
駐車場の囲いやハイウェイの分離帯、住宅地の街路として植えられ大きな日陰を作っています。
ソープナッツの木は水はけの悪い、または堅く締まった土壌でも、あるいは乾いた土壌でも育つといわれます。


  ソープナッツの葉   ソープナッツの葉と実    ソープナッツの花   ソープナッツの花
   葉の茂ったソープナッツ        ソープナッツの実             ソープナッツの花     地面に落ちた花    

 5) ソープナッツの花や実
ソープナッツの花は優しいクリーム色で、春から初夏にかけて咲き、花のあと、透き通るようなオレンジ色を帯びた黄緑の
1,5cmほどの実がついているのを見ることができます。実が若い間はその表面はなめらかです。夏の太陽に照らされ、
秋が近づくと、茶色がかって色が濃くなり、また、堅くなって、表面に皺のようなものができてきます。
ソープナッツの実は堅いうちに落ちます。他の果物と異なり地面に落ちたあとも腐らないという特徴があります。


 6) サポニンについて
ソープナッツの殻の部分には天然の界面活性剤、サポニンが多く含まれています。
サポニン(saponin)は、シャボン玉のシャボン(sapo;ラテン語)と語源が同じで、水と混ぜて振ると泡立つ性質(起泡性)が
あります。
構造的にはトリテルペンやステロイドにオリゴ糖(二個以上の糖が結合したもの)が結合した配糖体の一種です。サポニンが
なぜ泡立つか、ですが、これは、同じ分子内に親水性と疎水性という両極端な性質をもった部分構造が共存していて、
この構造的特徴が緩和な界面活性様作用をもたらすとされています。サポニンも基本的には石鹸と同じメカニズムで
泡立つのですが、石鹸と違うのは、サポニンは非イオン性かつ中性であるということです。サポニンの界面活性作用は
石鹸に比べると弱くなりますが、世界には今日でもサポニンを多く含む植物を石鹸代わりに洗濯などに利用する民族が
多く存在します。
サポニンは天然物質でありながら起泡性というユニークな性質を有しますが、界面活性様作用に基づく生物活性として
赤血球膜を破壊する溶血作用があります。このため、毒矢じりを作るのに使われてきました。また、蛇や魚といったいわゆる
冷血動物には常に有毒であるため、漁に利用されてきたというのは興味深いことです。わが国では、沖縄県でツバキ科
イジュSchima liukiuensis、小笠原諸島で同属種のムニンヒメツバキSchima mertensianaの樹皮を漁労に用いたという
記録がありますが、いずれもサポニンに富む植物です。
サポニンは植物性の食品、特に根、葉、茎などにも広く含まれ、渋み、苦み、えぐみといった不快味の原因ともなります。
小豆、こんにゃく、納豆、大豆、へちま、黒豆などに含まれています。サポニンは水と油の両方に溶ける性質を持ち、血管に
ついたコレステロールを除去したり血中脂質を低減させたりする働きがあること、その他、さまざまな生理活性作用のあることが
明らかにされています。
サポニンの食品を通じての摂取は肝機能障害の改善にも有効であるとされています。また、長期間摂取し続けると、腸管の
表面の組織が変化し、肥満体質そのものが改善されるといわれています。
その他、サポニンには、去痰、血行促進、抗酸化作用、抜け毛防止、老化防止等、いろいろな効果があると思われています。
もっとも、溶血作用があるため、食品では十分にアク抜きをしないと有毒成分が残ることがあります。



 7) ソープナッツで清潔に
古代よりインドでは、ソープナッツはヒンズー語でRITTHA(リタ)と呼ばれ、石鹸としてはもちろん、シャンプーに、また、金製
銀製の装身具を磨きあげるためにも用いられてきました。また、絹やウールを傷めず美しく洗い上げることができるので、
高価な織物の為の洗剤としても重宝されています。
また、古代インドでは、巡礼の旅の船の乗客は衛生目的と清めのためにソープナッツを持って乗船することが求められた
そうです。
ソープナッツの果皮のエキスはアレルギーや敏感肌にも大丈夫とされ、また、抗菌作用もあるので、現在でも、歯磨きや
食品用洗剤等に広く使用されています。
現代でもソープナッツ50gほどを1リットルの水に入れ10分ほど煮立たせて作った液体せっけんを使って、洗濯、台所他
家じゅうの掃除や洗車、その他いろいろなものをきれいにするために利用している人たちがいます。
また、洗剤としてのソープナッツはマイルドで、洗い上がりが柔らかく、かつ抗菌作用があるのでペットのシャンプーとして
愛用するひともいます。


 8) ソープナッツの匂いや泡立ち
ソープナッツにはアップルソーダ(リンゴ酒)に似たすっぱいような独特の香りがありますが、ソープナッツで洗ったものに
このソープナッツの匂いは残りません。
また、ソープナッツは自然の植物なので、サポニンが十分に働いて汚れを落としていても、化学洗剤のように泡はたちません。



 9) ソープナッツ液の作り方
12-15粒のソープナッツを水6カップに入れて火にかけ、30分間沸騰させます。
そのまま沸騰させると約4カップのソープナッツ液ができますが、必要に応じて水を足すと好みの量の液ができます。
液が冷めたらソープナッツを取り出して密封性のあるプラスチック製あるいはガラス製の容器に移します。
小分けにして保存しておいた方が不純物が入るのを防いだり品質を一定に保つのに役立ちます。
水を3カップにして作ると、より濃度の高い液ができます。いろいろな水の量で作ってみて、好みの濃さを見つけてください。
長期保存には、製氷トレイで冷凍してください。水6カップで作った液の場合だと、2-3粒で通常家庭用サイズの洗濯機
一回分になります。


 10) 参考文献やサイト
本ページの作成にあたっては下記の文献やサイトを参考にさせていただきました。
wildflower.org/plants (Nature plant database)
Western Soapberry by Edward F. Gilman & Dennis G. Watson
(Fact Sheet ST-581, a series of the Environmental Horticulture Dept., Florida
Cooperative Extension Service, Institute of Food and Agricultural Sciences,
University of Florida. Oct., 1994)
herbs2000.com
gogreen.cellande.co.uk
studioomshop.com
laundrytree.com
en.wikipedia.org
ja.wikipedia.org
e-yakusou.com
kenko.it-lab.com
buysoapnuts.com/howtouse.html
odn.ne.jp/~had26900/constituents/mechan_saponins.htm